大和葛城山夜景はんと



今の仕事をし始めてからというもの、毎年12月は月の3分の1ほどが仕事休み。
「貧乏ヒマ無し」などという格言があるそうですが、そんなのは全くもって根拠無し。
そもそもヒマがない人ってのは金を使うようなヒマなどもなく、金は貯まっていくもの(過去のワタクシ)。
貧乏人なんてもんは大概ヒマで、つまるところ金を使うヒマもある。よって、ヒマな人は金も貯まらじ(今のワタクシ)。
そうは思いませんか?思いますよね、そうですよね。
なんて呟いていたかどうかは記憶にありませんが、そんなヒマな12月の、とある仕事連休の2日目のこと。
昼下がり、ワタクシはまたしても悶々としていた。
そして駆け出した。
寒空の下、バイクに跨り南へ、南へと。

途中、夏に行ったアノ山。
山上遊園地のある山を眺めつつ。

目的地はまだ先。
さらに南へ。 


よく見知った道。
以前よりキレイに、広くなった道を。
よく見知った景色を見ながら。
思い出しながら南へ。
さらに南へ。 

 

そして見えてきたのはまた山。
ほら、ご覧。
後光が差してますよ。
ありがたや、ありがたや。
もしや、、、
いや、きっとそうに違いない。
ワタクシが行くべき場所はココだ。
コノ大和葛城山に違いない。
そういえば、昔ココに来たことがある。
それは7年、、、いや6年、、、5年前だったかな〜、、、
ともかく、ロープウェー夜間運行最後の日の3日、、、
いや4日、、、5日、、、もっと前だったかな〜、、、
とりあえず、山が呼んでいる。
ワタシは山田、いや、山だ。
いいもん見せてやるからコッチへ来い、と。
「しかしどうやって、、、」ワタクシは呟いた。
すると山は言った。 


どうやって?そら決まってんでしょ。
ロープウェイは17時で終わりやから歩いて来い。
何?ロープウェイ駅からですか?
それだと2時間じゃ済まない?
キミはウマシカか?
真っ直ぐ行くのが近道とは限らない。
回り道、遠回りを行く方が結果的にはいいこともあるの。
どぅーゆーあんだすたん?
オーケー。
なら教えてあげよう。
ココからもう少しだけ南に行きなさい。
そしたら国道が通っているから、その国道を西へ行きなさい。
したら水越峠ってとこ行けるから。
そうそう、旧道にある方の水越峠ね。
そうそうそう、この写真の場所。
そこから登りなさい。
コッチのほが楽だから。 

 

なるほど。
大阪と奈良の県境に沿って登るわけですか。
直線距離にして約1.5km。
腰にはコルセット装着。
靴はいつものスニーカー。
バイク乗ってきたから防寒対策もバッチシ。
これなら行けそうな気がする。
気がするぅ〜〜。

時刻は15時35分。
本日の日没時間は16時48分頃。
時間はたっぷりある。
では、御山さんのお誘いに応え、登るとしますか。


と、余裕ぶっこけたのは一瞬のこと。
踏みしめられた山道を抜けるといきなりの急坂岩場道。岩場を過ぎ、次に現れるは延々と続く階段道。
息吹を入れねば登れぬほどの勾配である。
しかも凍ってるし、雪積もってるし、、、思っていた以上に険しい。
ん?何か書いてますな。
ナニナニ、、、
200段、、、→70分、、、
マジですか?そらマジですよね、、、急がねば。
 


階段道を息を切らしながら登る。
止まることなくひたすら登る。
そして山道を進む。
落葉を踏みしめ進む。
そしてまた階段。

案内表示のある山って嬉しいね。
迷わないし。
「まだそんなあるん、、、」
て鬱にさしてくれるし(笑)


全長2.5kmだったんですか、、、
過去最高距離じゃないですか。
まだ半分も来てないじゃないですか。
鬱や、、、
いや、登るのはエエねん。
下りなアカンやん、、、帰るには。
それを考えるとな〜、、、
鬱やわ。

と、長い階段道の途中、丸太置いてあるとこで小休憩。
ペットボトルのコーヒーで水分補給。
既に上着を脱いでいたが汗びっちょり。
帰り冷えるでこのままじゃ。
着替え持ってこりゃ良かった。。。
 


5分ほど息を入れてから階段登り再開。
おっと、急に視界が明るくなってきました。
歩きやすい山道になってきました。
木々の合間からは奈良の街もチラホラと。
おおぅ、また案内板が。
ん?
案内板の先、何か景色開けてね?
ちと行ってみますか、、、
っと、すぐに絶景かい!
誰も踏んでない新雪、そして奈良の街。
イイね〜。
イイね〜。。。
って、イカンいかん。
もう16時20分ではないか。
ココには帰りまた寄るとして、いざ行かん山頂へ。


少しだけ後ろ髪引かれつつ展望地を後にし、階段を下りる、、、
って、なんで下りてんの?
あっ、何か見えた。
あれは木製の台?、、、ロッジ?
あっ、また登るのね。
ススキの間を登るのね。
よし、登りきった〜。
おおぅ。
この景色、見覚えがある。
ココは初夏、つつじが満開、人も満タンになる場所ではないか。
その時季には来たことないけど。
前来た時も雪しかなかったけど。
ということは、山頂はすぐそこ。
あと少し。


そして、ついに到着。
標高959m、6年ぶりの葛城山山頂。

水越峠から50分。
800段弱ある階段、標高差約550mを踏破しての到着。
ロープウェイで登った6年前よりも景色がキレイに思える。
あん時よりも雪積もってないけど。
あん時と同じく自分以外誰もいないし。
イイね〜。
イイね〜。

、、、って、感慨に耽っている場合やなかった。
カメラ立てな、夜景撮る準備せな。


では、ご覧いただこう。
と言っても、大阪から奈良までを望む山頂からの大パノラマ夜景写真はメインページで公開済み。
ここでは奈良盆地を望むパノラマ夜景(個人的にはコチラの夜景のほが好き)を載せておくことにします。


暗き山や闇空に包まれた人たちが灯す、孤独を紛らわすため、孤独から逃避するための光、その群。
それがワタクシにとっての夜景であり、唯一の興味惹かれる存在。
それを撮るために山に登るのです。
そこに見たい夜景が、撮りたい夜景があるから登るのです。
山登りは趣味じゃないからね。
そこんとこよろしこ。

てなわけで、今回の徘徊はこれにて終了。
山頂滞在2時間後、下山する前に水分補給しようと鞄からペットボトルを取り出したところ、中身がシャーベットになっていました。
以上!


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